防災アイテム紹介

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2026/07/03 コラム

災害は、家族がそろっているときに起こるとは限らない ―「一緒にいる前提」を手放して考えておく防災―

災害は、家族がそろっているときに起こるとは限らない ―「一緒にいる前提」を手放して考えておく防災―

災害について考えるとき、多くの人は「家族みんなで避難する」場面を思い浮かべます。

でも実際には、その状況の方が少ないかもしれません。

平日の昼間なら、お父さんは仕事、お母さんは買い物や通院、きょうだいは学校や保育園。

医療的ケア児は学校や放課後等デイサービス、訪問看護利用中ということもあります。

大きな地震や豪雨は、家族全員がリビングに集まっているタイミングを選んではくれません。

だからこそ、防災では「家族が一緒にいること」を前提にするのではなく、「バラバラの場所にいること」を前提に準備しておくことが大切です。

もしも、学校にいたとき

例えば、お子さんが学校にいる時間に災害が起きたとします。

すぐに迎えに行きたい気持ちは当然あります。

しかし道路が寸断されていたり、渋滞で動けなかったり、避難指示が出ていたりすると、思うように迎えへ行けないこともあります。

その間、お子さんは誰と過ごしているのか。

学校には医療的ケアの方法が伝わっているのか。

予備の医療物品はどれくらいあるのか。

停電になった場合の対応は決まっているのか。

保護者が到着できない場合、誰が判断をするのか。

こうしたことは、災害が起きてから確認するのでは遅すぎます。

普段から学校や施設と話し合い、「もしもの時」の共通認識を持っておくことが安心につながります。

もしも、自分だけ外出していたとき

反対に、お子さんは自宅にいて、保護者が外出中ということもあります。

祖父母やヘルパー、訪問看護師と過ごしている時間かもしれません。

そのとき、その人は必要な医療的ケアを十分に理解しているでしょうか。

避難が必要になった場合、どこへ向かうのか知っているでしょうか。

人工呼吸器や吸引器のバッテリーの場所、予備回路や医療物品の保管場所は共有できているでしょうか。

「いつもの人だから大丈夫」と思っていても、災害という非日常では判断に迷う場面が次々に起こります。

だからこそ、誰が付き添っていても対応できるように、情報を見える形で残しておくことも大切です。

医療的ケアの手順だけでなく、緊急連絡先や主治医、利用している事業所、必要な持ち物などをまとめたシートがあると、慌てた場面でも大きな助けになります。

家族同士の約束は定期的に確認を

そして、意外と忘れがちなのが「家族同士の約束」です。

災害時は電話がつながらないことも珍しくありません。

「連絡が取れない=何かあった」と思い込んでしまうと、不安ばかりが大きくなってしまいます。

だからこそ、「連絡が取れなかったら、まず〇〇へ向かう」「学校から動かない限り迎えを待つ」「避難所ではなく福祉避難所を目指す場合はここを経由する」など、あらかじめ家族で話し合っておくことが大切です。

一つでも約束が決まっているだけで、「どうしよう」という迷いを減らすことができます。

状況に応じて「誰がどの役割を担うか」担当を決めておく

医療的ケア児のいる家庭では、「誰がどの役割を担うか」を考えておくことも安心につながります。

例えば、一人はお子さんのもとへ向かい、もう一人はきょうだいを迎えに行く。

あるいは、自宅へ戻って医療物品を持ち出す担当を決めておく。

災害時は、一人ですべてを抱え込もうとすると、かえって身動きが取れなくなることがあります。

役割を事前にイメージしておくだけでも、落ち着いて行動しやすくなります。

もちろん、状況によって予定どおりに動けないこともあります。

だからこそ、「この人しかできない」ではなく、「代わりに誰ができるか」まで考えておくと、より安心です。

家族で確認しておきたいこと

チェックリストを参考に、家族で話し合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。

  • 災害時、家族それぞれがどこにいる可能性があるか話し合っている
  • 学校や事業所の災害時対応(引き渡し方法・避難場所など)を確認している
  • 保護者が迎えに行けない場合の対応を確認している
  • 医療的ケアの内容や緊急連絡先をまとめた情報シートを準備している
  • 家族で「連絡が取れない時の集合場所」や行動ルールを決めている
  • 誰が何を担当するか、おおまかな役割を話し合っている

それぞれの視点で、できるだけ細かく決めておくとお互い安心ですね。

まとめ

防災は、完璧な答えを用意することではありません。

どんなに準備をしていても、想定外は起こります。

それでも、「もし家族が別々の場所にいたら?」という視点で一度考えてみるだけで、新しく気付くことがたくさんあります。

家族が一緒にいられない時間があるのは、ごく当たり前の日常です。

だからこそ、その日常の延長線上に防災を置いて考えてみてください。

「一緒に避難する」準備だけでなく、「離れていてもお互いを守れる」準備も、家族の安心につながる大切な防災対策なのです。