【レポート】第21回 医ケア児家族とその家族のための防災講座&体験会 開催しました!
2023年10月19日㈭に株式会社 エール(岡山市北区今6-5-23)で開催した防災講座&体験会第3回、『個人避難準備講座』「持ち物リスト作成」のご報告です!
今回は、ひなんピングとしては、はじめてのインスタライブ生配信をしました!
見に来てくださったみなさま、ありがとうございました。
アーカイブをInstagramでご覧いただけます♪Instagram▷@hinanping
※前半が音切れしてしまい、聞き取りづらく申し訳ございません。
不明なところがあれば是非お気軽にお問い合わせください!
開催場所『株式会社 エール』と講師のご紹介
今回は個人避難計画の準備のための講座!「持ち物リスト作成」!
開催場所は、ひなんピングのイベントで何度もおじゃましている株式会社エール。
そして、今回の講師は㈱エール代表の平田社長です。
まずはじめに、平田社長のこれまでの経歴、仕事を通していろんな子どもたちと出会っていくなかで革新的に変わっていった想い、そして訪問看護という選択をした経緯をお聞きすることができました。
2016年に訪問看護ステーションyellを開設したときから、災害に向けたトレーニング、自宅で過ごす子どもたちの避難訓練活動を実施し、保護者の方も「防災意識」をもてるように取り組んできたそうです。
訪問看護ステーションyellをはじめて2年後に、西日本集中豪雨が起き、身に染みて日頃からの防災意識が大切だと感じ、さらに防災意識が高まったそうです。
そういった経緯もあり、ひなんピング(キャンピングカーを利用した避難計画)に平田社長も共感し、一緒に活動をしてくださっています。
考えよう!各自の避難計画!
今回参加してくださったのは、日常的に医療的ケアが必要な医療的ケア児、現在支援学校に通っている8歳の娘さんを持つお母さんと、看護職に就いている方が「自分事として医療的ケアが必要なお子さんのことを参考にできたら…」と、ご参加くださいました。
「実際に警報が鳴って、避難しなきゃいけない!ってなったときに、すぐに準備して、どこに避難するかっていうことは決まっていますか?」
という平田社長の質問にみなさん「いえ…」と言葉をにごす様子がみられました。
実際に医療的ケアとして、胃ろうや人工呼吸器などがある場合、個々で準備するものは変わってきます。
物品(シリンジなどの医療器具)、おむつのサイズ、食料…
電源の必要な医療機器なども、呼吸器、加湿器、吸引器、酸素ボンベ、サチュレーションなど、何種類もいっしょに持ち出さなければなりません。
小学校に毎日通っているご家庭では『車に物品、アルコール綿、おむつ、お薬などは1日分は常備、車に乗せている』と答えていました!
素晴らしいですね👏
このように、日頃から意識して物品を常備しておくということを見習って準備をはじめていきましょう!
今回使用した準備リストは、岡山県の公式ホームページに掲載されている、「岡山県重症心身障害児(者)を守る会」さんが作成したものを使用させていただきました。ぜひ参考になさってください。
医療的ケア児・者のための医療的処置情報・持ち出し品リスト [Excelファイル/21KB]
岡山県公式HP 参考
医療的ケア児の避難訓練から見えてくる課題
㈱エールの取り組みとして、コロナ禍前に実際に利用者さんのご自宅からの避難訓練も連携してできるような取り組みもされていて、その時の様子をご紹介くださいました。
・気管切開をしていて人工呼吸器が必要
・胃ろうからの食事が必要
・在宅酸素の使用あり
・お薬の注入が必要
・導尿が必要
このような医療的ケアが必要な子の備蓄品を、実際に準備したときの一覧も見せてくださいました。
この時は夏休み中だったこともあり、ごきょうだいも一緒に避難訓練に参加してくれたそうです。
家族で共通認識をもてる良いキッカケですよね。
この時の避難方法としては、子どもにあったサイズのバギーで避難する必要があったため、
お母さんが呼吸器を肩にかけて、お子さんを抱っこ→バギーに乗せる。という手段で避難したそうです。
「お母さんが簡単そうにしてみえるのは、慣れているからです。」という平田社長の言葉からもわかるように、これを緊急時にすっとできるように、日頃から練習しておくということが大切になります。
医療機器の種類や、病状によってはお母さんだけでは避難できない場合もあると思いますので、各家庭でシュミレーションをして、実際に行動してみてはいかがでしょうか?
助けが必要な場合は、手伝ってもらえる先を事前に相談して見つけておく必要が出てくると思いますので、訪問看護師や地域の方とも連携する仕組み作りができていくようになるのが理想的ですね。
あったら便利!準備して損はない防災リスト!
ココで!平田社長がおすすめする防災時の準備物のポイントをまとめてご紹介します!
◎入れ物はトラベルケースがおすすめ!
準備物が増えると移動が大変になるので、持ち運びができる量にすることが大切です。
そこで、まずは持ち運びができるトラベルケースを準備して、その中に入る量で用意する!
※トラベルケースの大きさによって、3日~1週間分の準備ができる。
持ち運びやすいトラベルケースに入る量だけの内容を用意すると良い!
◎用意する量は理想としては1週間、少なくとも3日間の準備が必要!
毎月、お薬を病院の先生に少し多めに出してもらうようにしてください!
※できれば1週間分ほしいところですが、難しい場合は3日分だけでも多めにお願いしてみてください。
災害時にいつも使っているお薬がかかりつけの病院や薬局でも常備していない可能性もあるため、病院側と相談して事前に準備できるようにしておくと良い!
◎意外と忘れがちなのがおむつ!特に大きめのおむつ!
Sサイズなど赤ちゃんサイズのものは、災害現場に支給品として届きやすいので比較的手に入りやすいそうです。
反対に、スーパービッグや大人用のSSSサイズなどはまず入ってくることがないと思って多めに用意することをおすすめします。
※大人用、スーパービッグなどのサイズはなかなか手に入らないので、事前に自分で準備しておくと良い!
◎物品を洗うために必要な水を小分けに多めに準備!
特に医療的ケアがある場合、大きい2Lペットボトルではなく、清潔を保つためにも500ccのペットボトルを数本準備しておくと良い!
◎照明のおすすめは、ヘッドランプ!
医療ケアを狭い車内でしなければいけない場合もあるかもしれないし、両手がしっかり使えるため、ヘッドランプがおすすめ!
◎ガソリンは日常的に半分になったら給油して保持しておく!
車を利用する方は、災害時にガソリンがない!ということを防ぐためにも、日頃からガソリンがなくならないように意識して、半分くらいになったら補充するように心がけていると良い!
◎チューブなど物品の入れ物は小分けが吉!
日頃からよく使うチューブやシリンジなどは、タッパーやジップロックなどに入れて、物品ごとに小分けに収納しておくと良い!
◎注入の手法としてはシリンジがおすすめ!
注入方法は大きく分けてシリンジとイリゲーターがあると思いますが、イリゲーターだけの注入だと点滴棒などがなく外出の時に困ることが多いので、シリンジでもできるようにしておいた方が良い!
◎S字フックはとっても便利!
いろんな用途で使えるので持っていると良い!
◎ウェットティッシュは重宝する!
口内の清潔にも気を付けたいところですが、水も節約しなければならない環境の中で、歯ブラシの替わりにもなり、口周りを拭いたり、いろんなシーンで清潔を保つのに役に立つため持っていると良い!
◎保険証、お薬手帳、診察券などの重要書類のコピー
緊急時の情報提供用として、保険証、お薬手帳、診察券などのコピーを用意して入れておくと便利です。
◎㈱エールの訪問用車両の車内にも常備されているおすすめ防災セット!
【出典:楽天市場 防災用品 Z-STYLE】
「車載用防災セット」 ¥6,215
<セット内容>
避難用ショルダーバッグ
脱出ハンマー
マグネット付3wayランタンライト
防寒アルミシート
トイレ2P×2個
カイロ×2個
ポケットティッシュ
キズバン(大×2、小×2)
軍手
ウェットティッシュ
レインコート
ホイッスル
<おすすめの後入れグッズ>
・メモ帳、ペン、マスキングテープ、油性のマッキー、軍手、非常食、電池など
防災グッズが1式揃った防災セットを車に常備しておくと非常に安心です!
1台に1セットどうぞ!
そして大事なことは、〖年に1度は中身をチェックする〗ことです。
用意したら終わり!ではなく、その時々で見直しをしたり、中身の交換が必要なものを入れ替えるようにすれば、そこでまた防災意識が高まること間違いなしです!
定期的に中身の見直しをしましょう!
事前に知っておこう!自分たちの環境
災害の状況によって、避難した方がいいのか、自宅にいた方がいいのか、その都度判断が変わってきますが、それ以前に住んでいる場所や環境によって大きく変わる場合もあります。
自宅がマンションなのか、戸建てなのか、コーポなのかでも変わってきます。
道が水没したり、地割れしていたり、そういうことがあったら自宅にいる方が安全ですよね。
自分たちの最善はどれなのか、いろんなパターンで考えておく必要があるといえるでしょう。
㈱エールの利用者さんの場合、マンションの8階に住んでいる方がいたそうで、その方のシュミレーションでは、建物の仕組みでスプリンクラーが発動したり、エレベーターが止まってしまうことも想定されました。
こういった場合は、下手に移動するより、自宅にいた方が安全かもしれません。
こういった面からも自分が住んでいるところでどういうことが起こりうるか、事前に想定して知っておくことが必要です。
いざという時、身一つで家を飛び出して普段通っている支援学校に助けを求めたケースもあったそうです。
なぜかというと、医療ケアに必要な物品やお薬や着替えなどが常備してあるからだそうです。
そういった、日常的に利用している施設などとの連携もしっかり取っておくと良いでしょう。
また、災害用伝言ダイヤル171の練習をしておくこともおすすめしてくださいましたよ。
NTT東日本企業情報HP参考
今回のお話を参考に、みなさんもできることからはじめてみましょう。
この事業は、公益財団法人橋本財団の助成を受けて運営しています。
今年度後期には、他にも防災講座&体験会を開催します。↓↓↓