ホンネ

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2022/07/17 大石えま

お腹の赤ちゃんの病気がわかった日のことVol.3

お腹の赤ちゃんの病気がわかった日のことVol.3

初めて国立医療センターを受診した当日は、精神的にわりと安定したように思います。

家に帰ってから、県外に住む姉に電話で、赤ちゃんの病気のことを話しました。

きっと誰かに聞いてほしかったんだと思います。

そしたら姉の方が泣いてしまいました。

「やっぱりそれだけ深刻な話なんだよな….」

客観的にもそう思い知らされました。

もしもお腹の赤ちゃんの肺が育たず、お腹の外に出ても生きられないとなった場合、

最悪、中絶という選択をしなければならない…

そうなると、妊娠中期なので出産する形をとらなければならなくて、入院が必要になります。

わたしが入院でもしたら兄弟たちのことを放っとくわけにはいかないので、
母に家に来てもらったり協力してもらわないといけないことになります。

だから、協力をあおぐためにも、母にお腹の赤ちゃんが病気かもしれないこと、

もしかしたら生きられないかもしれないことをLINEで軽く報告しておきました。

軽くじゃないと、この時は詳しく話すと心が壊れてしまいそうで、

詳しく話すことができませんでした。

精神的には大丈夫なつもりでいましたが、夕方ごろになると

何ともいえない不安感に包まれていくようでした。

次の日も普通に過ごしていました。

だけど夕方近くになると、何でもないテレビを見ながら、むちゃくちゃ泣けてきました。

赤ちゃんをちゃんと子宮内に授かり、辛いつわりを乗り越えて、安産祈願にも行きました。

「普通に健康な赤ちゃんを出産する。」と思っていました。

「今はこのお腹に胎動を感じることもできている。」

「なのに…何で?自ら赤ちゃんの息の根を止める選択をしなきゃいけない?」

「絶対無理。…てゆうか嫌だ。」

「子ども達には心配かけたくない。」

バレないように泣きました。

そんな時に夫から電話、、夫はこんなことがあっても普段通りに明るかったのです。

「何でそんな普通に明るくいられるの?」放っておいて欲しかったです。

夫が帰って来てからも、やっぱりダメでした。

トイレにこもり天井を見上げ、涙が流れないようにしました。

人は涙をこらえる時、やっぱり上を見るんだなって、改めて実感しました。

夫にも子どもたちにもバレないように泣きました。

不思議なことにずっと涙が止まらず苦しかったです。

途中、夫が様子を見に来ましたが、

「落ち着いたら戻るから放っといて」と言いました。

ちょっと落ち着いたと思って部屋に戻ったけどやっぱり涙が出ました。

「もう、子どもたちにもバレたかも知れない。」

夫はそんなわたしの様子を気にするような素振りはあったけど、
ちゃんとテレビを見たりご飯も食べていました。おかわりもしていました。

そんな様子を目にしただけでも、何とも言えない気持ちになり、
隣の部屋に移動してまた泣きました。

もう、止まリませんでした。

次男が「大丈夫?」と何度も様子を見に来てくれました。

「大丈夫だよ」と答えるのに必死でした。

夫は様子を見に来ませんでした。

「やっぱり夫は平気なんだ。」

「わたしはこんなに苦しいのに…」

そう思うとまた涙が止まらなくなりました。

なんかもう、すべてが嫌になりました。

「辛すぎてこのまま鬱になってしまいそう…」本当にそう思いました。

次の日の朝。

夫と話をしました。

夫はわたしを放っといたんじゃなく夫なりの気遣いだったと知りました。

「それが裏目に出た、俺だって平気なわけじゃない。」と…

夫も少し泣いていました。

今思い出しても、この2日間は本当に辛かったです。

涙って、枯れないんだなと思いました。

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