【レポート】第23回 医ケア児家族とその家族のための防災講座&体験会 開催しました!
2023年11月30日㈰10:30~11:30に株式会社 エール(岡山市北区今6-5-23)で開催した『いざというとき役立つ講座』のご報告です!
今回も、ひなんピングのInstagramアカウントからインスタライブ生配信を行い、生中継でお届けしました!
見にきてくださったみなさま、ありがとうございました。
今回もインスタライブを担当してくれたえまママ!(家族のホンネでえまママの体験談公開中)
段ボールベッド組み立て体験や準備したものの紹介など、とてもくわしくレポートしてくれましたよ(o^^o)
アーカイブをInstagramでご覧いただけます♪
Instagram▷@hinanping
開催場所は、今回も株式会社エールさんです。
エールさんの詳しい説明についてはこちらをご覧ください。
緊急時に対応できるように「手動式吸入器」を使ってみよう!
災害が起きたとき、電源がないことを想定して、いざというときにも対応できるように、株式会社エールの平田社長を講師に迎え、実際に電源がなくても使える「手動式吸入器」を使用してみました!
今回用意した、手動式吸引器は『アズワン(AS ONE)手動式吸引器 HA-210 120mL』です。
付属のチューブは少し太めのものが付いているので、指をさしてくれている部分のこの穴に、いつも使っている吸入カテーテルを差し替えて使用することができます。
実際にいつもえまちゃんが使用しているものを、自宅から持ってきてくれたので差し替えてみましたが、ピッタリフィット!問題なく使えそうです。
使い方はとっても簡単。
チューブの先端を挿入したら、オレンジの部分を押して圧をかけるだけです。
【手動吸引器を使うときのポイント】
・両手がふさがってしまうので、使い慣れておく!
・ふだん使っている電動の吸引器と比べて、どれだけ圧がかかるかわからないと思うので、やはり実際に使ってみる必要がある!
ということで、実際に大石も体験してみましたが、結構難しかったみたいです。
「慣れていないとその子にあった圧のかけ方がわからないから、これは普段から練習して使ってみたほうがいいかも!」
とのことで、やはり、いざというときのことを想定して使用してみることが大切だということを実感した体験となりました。
そして、手動式吸引器が手元になかったときの対処法も教えてくださいました!
病院から支給される「シリンジ」です!
なんと!簡単に吸引カテーテルの先とくっつけることができるのです!
これは便利ですね!
みなさんもぜひ試してみてください。
防災用ダンボールトイレ・ダンボールベッドを組み立ててみよう!
前回も、ご紹介した株式会社タカオカの防災用品、防災用ダンボールトイレとダンボールベッド、前回ご紹介したときはすでに組み立ててある状態でしたが、今回は組み立てるところからやってみました!
まずは、ダンボールベッド「楽々ベッドⅡ」から!
ちなみに、会場にいたメンバーは誰も組み立てたことがありませんでした。
でも、説明書を見ながらみんなで協力したら、時間にして10分もかからないくらいで、あっという間にできあがりましたよ!
今回は平田社長が実際に寝転んで寝心地を体験してみました!
身長は155㎝くらいです。
「あったかい!」「まくらが意外に心地いい!」という感想でしたよ。
次にダンボールトイレ「楽レットⅡ」を組み立ててみました。
トイレは、部品と組み立て工程がたくさんありました。
ベッドよりは複雑でしたが、これも10分もかからず組み立てることができました!
トイレの内側にはめ込むビニール袋は45Lだと少し口が窮屈な感じではありましたが、問題なく使えそうです。
「後ろの背もたれがあるから安心する」
「取っ手があるから立ったり座ったりが楽にできる」
といった感想がありました。
災害がおきたときに、普段から使っている仕様と近いものを使えることで安心要素になるという意見もありました。
平田社長は座り心地が気に入った様子で、何度も座っていましたよ♪
詳しくはコチラから▶株式会社タカオカの防災用品
実際に避難グッズを用意して確認してみよう!
そして、えまちゃんに必要な医療的ケアグッズも含めた避難グッズを準備してもらい、会場に持ってきてもらいました!
実際に並べてみると、結構な量ですよね。
これで3日分です。
前回の『個人避難準備講座』で、平田社長のアドバイスを受け作成した「持ち物リスト」を元に準備してくれました!
それと、補足で岡山市の保健師さんと一緒に作成した避難時用物品のチェックリストも持ってきてくれましたよ(*^^*)
どちらも参考にしながら用意したそうです。
では、えまちゃんが避難する時に必要な物品のご紹介をしていきます!
〖医療的ケア児えまちゃんの避難グッズ〗
◻️人口呼吸器(外部バッテリー、内部バッテリー付きのお出かけ用)1個
◻️アンビューバッグ※人口呼吸器の代わり 1個
◻️機械のコンセント類(人口呼吸器、パルスオキシメーター、吸引器)それぞれ1個
◻️電動吸引器(エネループ充電器付き)1個
◻️手動式吸引器 1個
◻️酸素用チューブ1本
◻️酸素ボンベ(流量1.5L=5-6時間/1本)5本
※なくなる前に酸素会社に電話して持ってきてもらえるように手配する必要がある
◻️パルスオキシメーター(血中酸素飽和度計、心拍計測器)1個
◻️オキシセンサ 1本
◻️外部バッテリー(ポータブル電源) Jackery ポータブル電源 708 191400mAh/708Wh
◻️器官カニューレ 1個
◻️カニューレ固定ひも 3本
◻️Yガーゼ(気切箇所用) 10枚
◻️人口鼻 1個
◻️人口呼吸器の回路 1個(なくてもいいかも)
◻️吸引カテーテル 6本
◻️シリンジポンプ 各種3~4本づつ
◻️経管栄養剤※えまちゃんのお食事
エネーボ600cc(1缶300cc)/1日=6缶(3日分)+2缶(予備) 計8缶
◻️アルコール綿 1箱
◻️手指消毒液 1個
◻️おしりふき 3個
◻️ウエットティッシュ 3個
◻️ペットボトル(水)2L 4本
◻️オムツ 15枚
◻️着替え 5着
◻️ポリ袋 1個
◻️ビニール袋 1個
◻️延長コード 1個
◻️薬 1週間分
⬇️「あると便利なもの」
◻️体温計
◻️ジップロック 適当
◻️s字フック
◻️歯ブラシ
◻️生理用品
◻️懐炉
⬇️「体温調節に便利なもの」
◻️保冷剤の代わりに瞬間冷却材
◻️懐炉の代わりに温めたお湯を入れたペットボトル
これらを2泊3日用くらいのスーツケースに入れて準備しておく!!
振り返り&まとめ
今回大石さんが準備してれたこの量を事前に準備しておくって…腰の重い作業ですよね…。
しかも、それプラス通常の避難グッズまで…!?
そして、それの保管場所や管理なんかも含めると正直めんどうだな!って思ってしまいますよね。
でも、今回がんばって準備してくれた大石さんは、「実際に準備してみてよかった」と言ってくれました。
こうして実際に準備することで、先の見通しが立ち、いざというときに焦ることもなくなっていくのではないかと思います。
わたしは、大石さんを近くで見ていて、着実に防災知識やいざというときの知識がついていってることを感じます。
大切なのは、単に避難準備をするということだけではなく、実際に必要なことは体験しておくということ、ひとりで抱え込むのではなく周りの助けを借りることができるように手配しておくこと、これらがとても大切だと感じました。
特に、医療的ケアがある子どもたちのケアには必要なものがたくさんあります。
物品もですが、手も必要なのです。
お母さんひとりでは抱えきれません。
とりあえず、避難グッズの準備ができたとしても、それはやはり、「とりあえず」に過ぎないのだということを肝に命じ、連携が取れる環境作りをしていってほしいと思います!
ひなんピングでは、こういう場を利用して、みなさんが繋がっていってほしいと願っています。
※医療チーム(かかりつけ医、訪問看護、訪問診療、リハビリ)やデイサービスや各種機械の会社などとは、連携、連絡が取れるようにしておく必要があります‼️
前回も紹介した災害用伝言ダイヤル171にメッセージを残しておくことをおすすめします!
災害用伝言ダイヤル(171)
NTT東日本企業情報HP参考
「いざ!」というときのために
「いま!」できることを…
この事業は、公益財団法人橋本財団の助成を受けて運営しています。
2023年10月19日㈭に開催した『個人避難準備講座』「持ち物リスト作成」のレポートはこちら↓↓