
「もしも」の時に知っておきたい、医療的ケア児家庭ならではの備え
地震や台風、大雨などの災害は、いつ起こるかわかりません。
一般家庭でも災害への備えは大切ですが、医療的ケア児や難病児のいる家庭では、普段の生活に医療や電気、薬などが欠かせないため、災害時のリスクも大きくなります。
「何が一番心配?」
「どんな備えをしておけばいいの?」
今回は、医療的ケア児家庭が知っておきたい災害リスクと、今からできる備えについてまとめました。
医療的ケア児家庭は「生活」と「医療」の両方を守る必要がある

災害時、多くの人は
- 食料や水
- トイレ
- 避難場所
などを心配します。
もちろんそれらも大切ですが、医療的ケア児家庭では、それに加えて
・命を支える医療機器
・医療物品
・薬
・電源
・医療機関との連携
などを確保する必要があります。
つまり、
「生活の備え」と「医療の備え」
の両方が必要なのです。
リスク① 停電による医療機器の停止

医療的ケア児家庭で最も大きなリスクのひとつが停電です。
例えば、
- 人工呼吸器
- 酸素濃縮器
- 吸引器
- 経管栄養ポンプ
- パルスオキシメーター
など、電気を必要とする機器を使用している場合、停電は命に関わる問題になります。
近年は台風や大雨による長時間停電も増えており、
「数時間なら大丈夫」
では済まないケースもあります。
備えておきたいこと

・内蔵バッテリーの使用時間を確認する
・外部バッテリーを準備する
・発電機の使用方法を確認する
・電源確保ができる避難先を複数考えておく
「どこに避難するか」だけでなく、
「どこなら電気が使えるか」
という視点が重要になります。
リスク② 医療物品や薬が不足する

災害時には物流が止まり、必要な物資が届かなくなることがあります。
特に、
- 吸引カテーテル
- ガーゼ
- シリンジ
- 注入セット
- 栄養剤
- 常備薬
などは、避難所で配布されることを期待するのは難しい場合があります。
備えておきたいこと

・医療物品は少し多めにストックする
・処方薬は早めに受け取る習慣をつける
・お薬手帳や医療情報をまとめておく
普段から「ローリングストック」を意識し、使った分を補充する習慣をつけておくと安心です。
リスク③ 避難所での生活が難しい

一般的な避難所では、
- 吸引をする場所がない
- 周囲の視線が気になる
- 感染症のリスクがある
- 夜間も落ち着いて眠れない
- 医療物品を広げるスペースがない
など、生活環境の面で困ることがあります。
また、
- 感覚過敏
- 音や光への刺激
- 慣れない環境への不安
などがある子どもにとっては、大きなストレスになることもあります。
備えておきたいこと
避難所だけにこだわらず、
- 在宅避難
- 親戚宅
- ホテル
- 福祉避難所
- 給電機能付き自家用車
- キャンピングカー
など、複数の避難先を考えておくことが大切です。
リスク④ 家族の負担が集中する

災害時には家族も不安や疲労を抱えています。
その中で、
「医療ケアをしながら避難生活を送る」
ことは、想像以上に大きな負担になります。
睡眠不足や緊張が続くことで、家族自身が体調を崩してしまうこともあります。
備えておきたいこと
・家族で役割分担を話し合っておく
・緊急連絡先を共有する
・支援してくれる人を確認しておく
「家族だけで頑張る」ではなく、
周囲とつながっておくことも防災のひとつ
です。
リスク⑤ 情報が届かない

災害時には、
- 携帯電話がつながりにくい
- インターネットが使えない
- 必要な支援制度を知らない
など、情報不足が不安につながることがあります。
また、医療的ケア児家庭ならではの困りごとは、一般向けの情報だけでは十分でないこともあります。
備えておきたいこと
・主治医
・訪問看護ステーション
・自治体
・相談支援専門員
など、普段からつながりを持っておくことが安心につながります。
キャンピングカーは「動く避難室」

近年、防災の観点から注目されているのがキャンピングカーです。
キャンピングカーには、
- プライバシーを守れる
- 横になって休める
- 周囲に気を遣いすぎなくてよい
- エアコンや暖房を使用できる
- 家族で安心して過ごせる
などのメリットがあります。
医療的ケア児や難病児の家庭にとっても、
「避難所か自宅か」
の二択ではなく、
第三の避難先
として期待されています。
もちろん、燃料や電源、トイレなどの備えも必要ですが、
「安心して過ごせる空間を確保する」
という意味で、大きな可能性を持っています。
まとめ

医療的ケア児家庭の災害リスクは、
- 停電
- 医療機器の電源
- 医療物品の不足
- 避難所生活の難しさ
- 家族の負担
- 情報不足
など、多岐にわたります。
だからこそ大切なのは、
「特別な備えをすること」ではなく、普段の暮らしを少しずつ災害に強くしていくこと」
です。
そして、困ったときに家族だけで抱え込まないこと。
主治医や訪問看護、地域の支援者、そして同じ立場の仲間とのつながりも、大切な防災の備えになります。
災害はいつ起こるかわかりません。
だからこそ、
「もしも」の時に大切な命と暮らしを守るために、今できることから始めてみませんか。
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