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2024/06/18 勉強会

【レポート】第4回目 医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座

【レポート】第4回目 医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座

2024年夏開催予定の医療的ケア児の避難訓練に向け、「サポートに入る支援者が正しい知識や共通認識をもつことが重要である」との考えにより実施中の医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座、第4回を実施いたしましたので、講座の様子をご紹介いたします。


夏に行われる予定の医療的ケア児の避難訓練の詳細や申し込み方法については、近日中に当ホームページにてお知らせいたします。
今しばらくお待ちください。

過去の講座レポートはこちらからご覧いただけます。

【レポート】第1回目 医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座

【レポート】第2回目 医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座

【レポート】第3回目 医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座

開催概要

開催日:2024年6/14㈮ 14:30~

テーマ:「想定:風水害発生時における、人工呼吸器装着2歳児の準備から避難生活3日間」

対象者:・地域の防災担当者、市町村の防災担当者、防災などに興味をお持ちの方、災害時支援などお考えの方、支援者、医療関係者、当事者ご家族 etc…


講師:山中 弓子 氏

講師

第2回目から第5回目までの講師は、親子支援・災害看護支援*てとめっとの代表で、災害看護師をされている山中弓子氏です。

この日も、令和6年に起きた能登半島地震へ災害支援に入っているため、リモートで講師としてご参加くださいました。

2016年の熊本震災、2018年の岡山県真備町の西日本豪雨が起こった水害現場も実際に支援に入り、寝たきりの高齢者や医療的ケア児の対応も経験されています。

当日の様子

講座の実施時90分弱、リアルタイムでの参加者は6名でした。

まずはじめに、ひなんピングスタッフよりご挨拶と支援者養成講座についての説明がありました。

支援者養成講座は医療的ケア児、その他支援が必要な方のため、そしてそのご家族の支援のために実施しています。

この講座をきっかけに「支援とは何か」について学んでいただければと開催しております。

最終ゴールは、支援者養成講座全5回終了後にひなんピングが構築している「イッツミー!」(医療的ケア児自己紹介カード兼避難計画書)に当事者の方に登録していただいて、地域連携を取りながら実際に避難訓練を実施(7月開催予定)するところまでです。

想定:風水害発生時における、人工呼吸器装着2歳児の準備から避難生活3日間

今回のテーマは「風水害発生時における、人工呼吸器装着2歳児の準備から避難生活3日間」についてです。

風水害発生時における人工呼吸器装着2歳児の準備から避難生活3日間

想定

岡山市内で6月14日㈮14:30分に西日本全域に線状降水帯が発生

岡山市内で水害

父、母、6歳女児、2歳の男児(医療的ケア児:人口呼吸器装置、寝たきり)の4人家族の準備~避難生活3日間

家屋浸水5M

上記の想定で「医療資格者でなくてもサポーターとしてどのような支援・手助けができるのか」についてお話がありました。

災害が起きたとき、日常で行っていたことができなくなります。「支援する人たちが環境を整えるサポートをすることが重要」になり、そうすることで、少しづつできることが増え、被災者が日常に戻れるサポートをすることが重要となります。

第2回目の講座でお話のあった「真備町や益城で起きたこと」を事例とした内容から想定開始です。

振り返り内容は、第2回講座「避難生活と減災対策、地域コミュニティの重要性」をご覧ください。

避難場所

「いつ?だれが?だれと?どこへ?どうやって?」では簡単に以下のことについては、前回も確認をした下の画像と合わせてお話がありました。

避難にどんな準備が必要

第1回目から言われていることを何度もおさらいする形になりますが、これが災害に備える基本的な準備になると言えるでしょう。

・いかに早く安全な場所に避難するか
・避難場所を事前に検討し、避難所の確認、共有をしておく
・レベル2ですみやかに避難開始!
・どうすればいっしょに安全に逃げられるかをみんなで考える
・避難場所が水害のときにも使えるか確認しておく
・自分の住んでいる地域のハザードマップ確認
・水害時に考えられる事前対策
・サポーターも準備段階から関わってほしい
・イッツミー!に事前入力!その情報から得られるものの重要性

災害時、どうやって、だれといっしょに、どこに逃げるかを事前に考えておくことが大事です。

そのためにも日頃から関りのある訪問看護師、支援員、保健師、ヘルパー、ご近所同士の助け合いが大切です!

水害時に気を付けなければならないこととしては、水がじわじわ上がってくる場合と土手が崩壊して一気に流れ込んでくる場合があることを知っておくという事です。

浸水ぐあいが想定できるように自宅周辺地域のハザードマップを確認して、自宅周辺の危険度や、避難経路の浸水想定して避難場所、避難経路を決めておいてください。

また、水害時は避難グッズが濡れてしまうことがあります。
濡れてしまわないように、事前対策としてビニール袋やジップロックに入れるといいでしょう。

実際にわたしたちがサポートに入ったときにできる支援として考えられるのは以下の通りです。

わたしたちにできるサポートとは?

・医療的ケアは医療者や家族にお任せする

・きょうだいのケア

・荷物運び

・自宅の戸締り

・体を拭くためのタオルの提供

・リアルタイムで災害状況(天候や状況)の共有

・物品の手配

・書類提出(被災証明など)のための協力、手配など

・もともと生活している環境にできるだけ近づける!

・どうすれば怖くないか、安全に避難できるかを考える!

・親御さんへのマッサージ、睡眠の確保

・避難所以外の休息場所の提供

・避難所の運営者と繋がって要望や必要な配慮などを伝える

・家族の食事を代わりに取りに行く

ここで、「イッツミー!」があるととても便利です!

お子さんの性格、特徴、好きなこと、苦手なこと、気を付けた方がいいこと、必要な医療的ケア、ケアに必要な物品名、医療機器の詳細なども共有することができます。

「イッツミー!」(医療的ケア児自己紹介カード兼個別避難計画書を事前に登録していただき、支援に入るみんなの共通認識として「イッツミー!」を参考に、近隣の人たちが自分の得意を生かしながら協力したサポートができるのが理想的ですね。

次にこの項目について以下のようにお話がありました。

・あらかじめ避難先に検討しているところを伝えておく
・土砂災害がおきないルートで安全に避難先へ
・電源の確保
・滴下など日常ケアの情報共有
・緊急連絡先、使用している機械のメーカーリスト
・あると便利なもの

あると便利なものとしては、スマホのバッテリー、懐中電灯、上着、毛布、かいろ、おむつなどに便利な圧縮袋、消毒液、などです。

また、医療的ケア児の食事やケアについては清潔が保たれることが優先されます。
しかし、災害時水を確保することが難しいことも考えられます。

そうした時の工夫として、「ロートの中にビニール袋を入れるとタンクの中の汚れを防ぐことができるのでおススメです!」と教えてくださいました。

このような知っていると便利な「医療的ケア用品の豆知識」も積極的に身につけていきたいですね。

滴下などの日常ケアの情報共有としては、滴下の量、スピードなどを表記したものを近くに貼っておくことで共有することができるので、家族の負担が減ったり、間違いを減らすことに繋がるのでおすすめです。

また、1日のスケジュールを貼り出しておくものわかりやすくていいでしょう。

これも「イッツミー!」の中に項目としてありますので、ぜひチェックしてみてください!

前回もお話がありましたが、「防災ゆうストレージ」を利用すれば避難時の荷物を減らせるかもしれません。気になった方は利用してみてください。

パーソナルスペースを確保するためには事前に「知っておくこと」「知ってもらうこと」が大切です。

日頃からお付き合いをしておくことでお互いに事前に知り、いっしょに考えることができます。

いろんな人を巻き込んでいっしょに考えてみてください。

参加者さんの声

最後に参加者さんから質問、感想をいただきました。

事業所のスタッフ、当事者家族のご参加がありました。それぞれの視点からの質問となりました。

今回は質問が多くありましたので、Q&A方式でどうぞ!

事例にそって避難時の話がもう少し詳しく知りたい

水害が起こったとして、まずはじめに避難経路の道がふさがっていないことを確認し、低体温に注意してビニールにくるまる方法もあります。
呼吸器などが外れないか、持ち物の不備がないか、しっかり確認して避難開始する。実際に災害が起きると慌ててしまうのでチェックをおこたらないために「アクションカード」など事前にチェックリストを作って共有しておくといいです。決めていて避難所へ避難する。もし使えなかったことも想定して次を検討しておきましょう。

水害があったとき、利用者に事業所からも連絡を入れ情報共有しておいた方がいい?

大型がきそうなとき、レベル2くらいで状況確認するといいです。あらかじめ決まりを決めておくといいかもしれません。(風速何Mなら訪問する、しない)また、訪問看護内で緊急時の緊急連絡網としてLINEグループを作っておくこともおすすめです。おすすめの気象庁▷「キククル」

福祉避難所の鍵を地区の人が持っているといっていたが、なるべく昼間に連絡を入れた方がいい?

講座の中でも話したが、避難は昼間のうち(日が暮れる前)に完了しておいた方がいいので、連絡も早めにできるように心がけてください。緊急時はしかたないので、連携が取れるようにしておくといいです。

福祉避難所の運営者と繋がっているといいといっていたが、「管理者」は誰がしている?

PTA、市町の町内会の方、防災士(防災に関するいろんな知識を勉強した人)、消防団員などになると思います。

福祉避難所は民間の高齢者施設が該当すると思うので、ネットで調べて事前に連絡を取ってみてください。

医療的ケア児は自宅避難が第一とされているが、この講座では「レベル2で避難所に速やかに避難するように」という指示がありました。判断するのが難しいと感じたのですが、どう動いたらいい?

自分の地域のハザードマップをあらかじめ確認しておくと、その災害時の危険度が想定できるので、予測して動いてください。安全そうであれば自宅避難でも構いません。

ただ、自宅避難の場合は停電になることもあるのでバッテリーの確保、暑さや寒さ対策、トイレも使えなくなるかもしれないのでトイレ対策など十分に備えてください。

また、水害の時は浸水すると下水が上がってくるので、においや汚れなどもあります。そういったことも知っておいてください。

自分の地域震災の震源地になったり、水害地となった場合、地域の避難場所には避難できないことも予測されると思うが、そういった場合はどこを避難場所として設定するの?

町外への避難も検討する必要があります。いろんな「もしも」のことを想定してたくさんの人を巻き込んでいっしょに考えていくことが大切です。

参加者の感想としては、

「自分が体験していても、しばらく経つと忘れてしまうことも多くあり、この講座を受けたことで防災の大切さを再認識できました。」

「公民館などの見学にも行ってみようと思いました。」

「避難場所を検討するにも災害の種類に適応した避難の仕方、避難所、備えが必要になり、本当にたくさんの人の知恵や協力がなければ当事者家族だけで対応したり考えたりすることは難しいと感じました。今からできることとして、訪問看護師や保健師、関わってくれている人たちを巻き込んでいっしょに考えてもらわないと…と思いました。」

などがありました。

当事者家族が抱える不安感がなくなるように、わたしたちができることを考えたいですね。

第1回目、第2回目、第3回を見逃した方もご安心ください!

第1回目「避難行動要支援者とは(在宅療養者や医ケア児の実際)」
第2回目の「避難生活と減災対策、地域コミュニティの重要性」(2018年7月岡山県真備町の水害現場を実際に支援した講師が、現場あるある、避難事情をお話しします)
第3回の大地震発生時における、人工呼吸器装着2歳児の準備から避難生活3日間の講座動画は後日視聴可能です!

※ただし、限定公開のため指定のURLからでないと視聴できません。

ご興味のある方は、下記よりお申込みくださればご視聴可能です。
申込期間は終了しております。
お申込みいただきありがとうございました。

第2回目以降の講師のご紹介

山中 弓子 氏

所属:親子支援災害看護支援「てとめっと」代表
日本災害看護学会会員
青年海外協力協会(JOCA)災害支援チーム能登町ベースマネージャー
資格:看護師、防災士
日本セラピューティック・ケア協会認定セラピスト
国際リドルキッズ協会認定タッチケアセラピスト
(トラウマを受けた子どものためのタッチケア・NICUタッチケア・ベビーマッサージインストラクター他)

あなたの想いが、誰かのためになる!

いっしょに支援者養成講座を受講して医療的ケア児のサポーターになりましょう!

支援者養成講座の詳しい日程や概要はこちらの記事をごらんください。

受講者募集!申込み・お問い合わせはこちらまで

受講希望の方はお電話または下記申し込みボタンをクリックして必要事項を入力後送信してください。
申込期間は終了しております。
お申込みいただきありがとうございました。

不明点などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

避難訓練の詳細、お申し込みはこちらをご覧ください。

お問合せ
086-238-8037(平日9:30~15:00)

主催 NPO法人輝くママ支援ネットワークぱらママ(https://paramama.jp/)

この事業は、ドコモ市民活動団体助成事業の助成を受けて運営しています。

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