ホンネ

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2023/09/18 井上つばき

第3章3-5⑩教育との関わり 

第3章3-5⑩教育との関わり 

学校との話し合い01 2020/09/28

医療的ケア児 ひなんピング

約束していた日に特別支援教育コーディネーターの先生と担任と学年主任が同席し、支援級の説明が行われる予定でした。

でも、実際は支援級の説明はひとつもありませんでした。

「まず、お母さんが椿さんを支援級に入れたいと思った理由と経緯をお伺いします。」というところから話がはじまりました。

「1年間中学校で過ごしていくなかで『できないこと』が明確になってきて、学校での困り事が増えてきた。たとえば、集団行動が疲れる・忘れ物が多い・勉強についていけない、など、他者とのコミュニケーションが難しくなってきたこと、家庭でも問題行動が増え、体調管理が難しくなってきたこと、学校に行っても勉強についていけず怒られるばかりで楽しさを見い出せず不登校になってしまった経緯から、病院に相談して発達診断を受けたこと。そこでADHDと診断がついたことで支援級に通えると聞いて話を伺ってみたいと思ったこと。」などを話しました。

このときわたしは、3対1での対面での話し合い・支援教育コーディネーターの威圧的とも取れる、目をじっと食い入るように見てくる態度に緊張していました。

わたしの話を一通り聞いた支援教育コーディネーターの口から、思いもよらない言葉が飛び出しました。

「ADHDの診断では支援級には入れません。」と。

椿が診断を受けたのはADHDとASDでしたが、このときの話し合いでわたしはADHDのことしか言わなかったのです。

発達障害に関して知識の浅かったわたしは発達障害の種類にADHDがあって、ADHDの中に細かく分類された先にASDというものがあるのだと思っていたので、確かにこのときわたしの口からは「ADHDと診断がついた」としか伝てませんでした。

(あとで知りましたが、実際に支援級に入れるのはASDの方が有効だったのです。)

「ADHDの診断では支援級には入れません。」と言った先生は間違っていなかったのですが、わたしとしては先日養護の先生から支援級を勧めてもらった経緯があっての今日だったので、キョトンとしてしまいました。

ここですでにすれ違いが起きていたのですが、学校側からしたら問題はそこではなかったようです。

その後の話は、支援級の説明ではなく「支援級に入ってもお母さんが望まれているような対応はできません。早島支援学校に行かれた方が、病気のことを優先的に考えられて椿さんの未来のためになると思います。まずは体調管理ができることが大事ではないでしょうか。」という話の一点張りでした。

このとき「わたしが望むような支援が受けられない」と、先生は言いましたが、わたしが望んでいる支援についての意見はひとつも話していない段階でそう言われてしまったことに憤り(いきどおり)を感じ、さらに、助けを求めたはずが全力で拒否されてしまったように受け取れて、やるせなくなってしまって…この後は涙がこぼれて話し合いになりませんでした。

医療的ケア児 ひなんピング

合理的配慮って?

訪問診療の先生にこの日のやり取りについて相談すると「お母さん、合理的配慮って知っていますか?」と聞かれました。

医療的ケア児 ひなんピング

つまり、本人が望むのであれば、学校側はそれに対して配慮することが規則として決まっているということです。

その具体的配慮については個人で差があるため、一概ではないですが、教育的配慮とは別に合理的配慮というものが適応されるべきだということです。

でも、この日の話合いでは学校側からそういった配慮はひとつもなかったと思います。

吐き出し向き合うきもち

医療的ケア児 ひなんピング

そんななかでも、発達障害に対する家庭での向き合いは続きました。

日々、家庭で起こる問題を課題として捉え『ひとつずつ根本に隠れている問題を掘り起こして話し合って娘に合った方法を見つけて直していく作業』でした。

学校のことについても、不登校になっている原因を椿とよく話し合いました。

医療的ケア児 ひなんピング

このころは、だいたい週に1日~3日は学校に行けていました。

学校をおやすみした日に、1冊の手帳に自分の考えを書き出して向き合ってもらうようにしました。

まずは、心の中に隠してある気持ちを吐き出してみて自分で自分の気持ちや行動に気がつくことができれば…と取り組んでいました。

【関連記事】

『病気と共に生きる』もくじ

1-1 椿の軌跡 

1-2 椿のカルテ

2-1 心臓病のお話

2-2 椿の病気発覚

2-3 椿の病気解説 

2-4 グレン手術と合併症

2-5 ①フォンタン手術と術前治療

      ②ペースメーカーのおはなし

      ③フォンタン手術後の生活

2-6 ①フォンタン術後症候群

      ②はじめての余命宣告

2-7 ①難治性腹水と腸閉塞と臍ヘルニア手術

      ②病院外で生活するために

      ③「チーム椿」の結成!

2-8 ①発達障害発覚までの経緯-1

      ②発達障害発覚までの経緯-2

      ③発達障害発覚までの経緯-3

      ④発達障害発覚までの経緯-4

      ⑤発達障害と難治性腹水の治療の関係

2-9 ①発達障害とは?

      ②本人へ伝える

      ③発達障害の治療は支援?

      ④取り組んだこと

      ⑤時にはお互い休憩も大事

      ⑥もしわが子が発達障害かもしれないと思ったら…

      ⑦社会的支援について

2-10 ①命のカウントダウン

        ②余命宣告後の過ごし方

2-11 ①最期の14日間-1

        ②最期の14日間-2

        ③椿の生きた最期の1日

        ④椿、旅立ちの日

3-1 ①病気と共にある生活とは

  ②病気と共にある生活とは

  ③病気と共にある生活とは

  ④病気と共にある生活とは

  ⑤病気と共にある生活とは

3-2 ①闘病と家族の在り方

  ②闘病と家族の在り方

  ③闘病と家族の在り方

  ④闘病と家族の在り方

3-3 ①医療との関わり

  ②医療との関わり

  ③医療との関わり

  ④医療との関わり

  ⑤医療との関わり

  ⑥医療との関わり

  ⑦医療との関わり

  ⑧医療との関わり

  ⑨医療との関わり

  ⑩医療との関わり

  ⑪医療との関わり

  ⑫医療との関わり

  ⑬医療との関わり

  ⑭医療との関わり

  ⑮医療との関わり

3-4 ①社会との関わり

  ②社会との関わり

  ③社会との関わり

  ④社会との関わり

3-5 ①教育との関わり

  ②教育との関わり

  ③教育との関わり

  ④教育との関わり

  ⑤教育との関わり

  ⑥教育との関わり

  ⑦教育との関わり

  ⑧教育との関わり

  ⑨教育との関わり

  ⑩教育との関わり

  ⑪教育との関わり

  ⑫教育との関わり

  ⑬教育との関わり

  ⑭教育との関わり

  ⑮教育との関わり

  ⑯教育との関わり

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